2023年　日本美術展覧会(日展) 入選作品

秋の和歌を23首書いています。石州雁皮という料紙を使用し、色は秋の紅葉をイメージしたレンガを選びました。秋の光景を感じさせながら、儚くも流麗な流れを意識しました。濃い色の料紙に書く時は、仮名という細い線、細い字であっても紙の色に負けないような強く粘りのある線を書かないことには作品にはなりません。墨継ぎの位置や集団、文字並びや散らし方にも気をつけながら最後まで書き切りました。

　この作品を一通り書くのに2時間かかります。途中の失敗は許されません。仮名の巻子作品を書くことは、集中力と忍耐が必要なのです。

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